「或日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを...」と日本の小説家、芥川龍之介"蜘蛛の糸"の冒頭を読む度に、御釈迦様の姿を想像してしまう。最近はめっきりと蜘蛛の姿を見なくなったが、私は蜘蛛を見る度にこの話を思い出してしまい、観念連合はそのまま銀色の糸に繋がり、手仕事で鋏で糸を切る時に心が痛む瞬間がある。それにしても人間の脳は複雑な仕組みだなあと思う。この本を読みたいという衝動ではなく、この本が好きというわけでもない。気が付けばこの本が傍にあって、無意識に開いてしまう。きっとこんな人間(犍陀多の事)になってはいけないよと誰かが知らしめてくれているのかもしれません。この本があるお陰でもしかしたら、無慈悲な心を失わないように気を付けようと思っていられるのかもしれない。そう思うと手放せない本だ。
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